セレニティ

『セレニティ』を観る。単なるB級映画かと思いきや、いや、堪能した。メカニックは洗練から程遠いし、俳優は見知らぬアクの強い顔が揃っている。あからさまに怪しい東洋趣味があったりもするのだが、オープニング、セレニティ号船内の長回しから、懐かしいスペースオペラのオーラを撒き散らしつつ物語は展開する。スマートなセンスではなく、愛と執着によってつくられた映画の何と力強いことか。とてつもなく立派なB級SFなのである。