墨攻

『墨攻』を観る。酒見賢一の同名小説しか読んだことがないのだが、これはそれを原作としたマンガの映画化とかいう、ややこしい話であり、そうであればなるほど、話の方もだいぶ劇画調にアレンジされており、小説がもっていた独自の視点はやや後退していて、テーマそのものも異質のようである。趣味としては小説が好みなのだが、あれを映画にするは難しいというのもよく判る。篭城戦を描いた映画としては水準以上の出来ではあって、それなりの迫力はある。アンディ=ラウは禁欲的なヒーローが似合って、格好いいしね。