『トランスフォーマー/リベンジ』を観る。シリーズものの既視感というよりは、マイケル=ベイのいつもの派手なドンパチが目立つ映画で、地上戦に突入というクライマックスは『バッドボーイズ 2 バッド』みたい。見応えは十分にあるとはいえ、それが市街地だろうが、艦隊だろうが、文化遺産だろうが、派手にぶち壊せばいいというものではないぞと、終いには腹立たしくなってくるのもまた確か。言っても詮無きことながら、ちょっとやり過ぎというものではあるまいか。アメリカ軍といえども他人の庭で暴れるときには、かつてはもう少しコソコソしていたものだが、強襲部隊が文字通り逡巡なくエジプトに上陸してしまうのだから、いかにもゼロ年代というのは、そのCG技術ばかりではないのである。結局のところ、「合体」まで繰り出してしまうロボットものと考えれば、そんなことを吠えても仕方ないとはいえ。であれば、ファンタジーにはファンタジーなりの、リアリティの階梯というものがあるというのが古来の節度であったはずである。シャイア=ラブーフは男前を上げていて、三部作の終話となる次作では、お子様代表のキャラクタが必要になるのではないか。