とある飲み会で松本に泊まったので、翌朝は早朝というべき時間帯に出勤して仕事。普段から朝は早めなのだけれど、6時からというのはまた格別に能率が上がる。
Month: April 2019
改善
もしかしたら指摘するひとはあまりいないのかもしれないけれど、『ブラタモリ』の歴代パートナーでいえば今の林田アナウンサーのコメント力については、ちょっといかがなものかという見解をもっていたのである。地質地形に個人の関心がないのは仕方のないこととして、全く興味のない合コンに参加したとすれば、この人はこういう反応をするのであろうなという表層的な相槌というのは意外に精神に堪える。いたたまれない。
永らく交代待望論を張っていたのだけれど、最近の甲府の回ではどこかこれまでと違うリアクションが見られて、1年を経過してようやく開眼したかとちょっと見守る気持ちになっている。テレビで一挙手一投足を評価されるというのも大変なことである。
グリーンルーム
『グリーンルーム』を観る。事故で夭逝したアントン=イェルチンの主演作で、パンクバンドの四人組がalt-right集団の犯罪現場を見てしまったばっかりに酷い目にあうという話。バンドの名前がain’t rightというあたりがふるっている。アクションというより、もみ合いの乱闘の最中に唐突な死が訪れるバイオレンスな展開で、ちょっとダークな感じがなかなかいい。イモージェン=プーツを久しぶりに見たけれど、やはり存在感があるし、アントン=イェルチンもつくづく惜しい人を亡くしたものである。ジェレミー=ソルニエ監督その人が書いた脚本で、この二人のラストのやりとりが最高にカッコいい。
ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー
『ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー』を観る。『スター・ウォーズ』の熱心なファンというわけではないけれど外伝好きではあって、『ローグ・ワン』も本編へ接続する流れだけで満足したようなところがある。本作はもちろんハン・ソロその人の語られざる過去というのが触れ込みで、パイロットとしてのアイデンティティを形づくっているといってもいい「ケッセル・ランを12パーセク」というセリフの実像を語ろうという趣向で、ディズニーになってからの企画の冴え具合には唸るほかない。もちろん、チューバッカとの出会いやミレニアム・ファイルコン号をめぐる賭けの顛末もよく消化されており、それどころかHan shot first論争に問答無用とばかり解を与える語り直しでもあって、ジョン=カスダンの脚本はよく出来ているのではないかと思うのである。このひとの『ランド・オブ・ウーマン』は結構、好き。
500ページの夢の束
『500ページの夢の束』を観る。ダコタ=ファニングが主人公の自閉症の女性、トニ=コレットが支援施設のソーシャルワーカーというキャスティングだけでも期待は高まる。スポックに自分を重ね『スター・トレック』を偏愛し、その脚本コンテストの締め切りに間に合わせるため原稿の束を抱えてはるばるロサンゼルスを目指すという縦軸のストーリーに、姉との関係を絡めたロードームービーで、派手な話ではないけれど自閉症スペクトラムの主人公が日常を過ごすために導入しているルールや感覚過敏の側面といったディテールがきちんと描かれており、ダコタ=ファニングの演技にも説得力があるので見応えがある。
主人公のスター・トレック脚本は427ページなので、邦題の500ページの由来は『(500)日のサマー』を連想させようというマーケティング施策なのだと思うのだけれど、まずよくそんなふわっとしたことを考えるものだと感心する。原題の『Please Stand By』は主人公がパニックを回避するために繰り返す呪文で、もちろん多義であり効果的に使われている。
ザ・サイレンス
Netflixで『ザ・サイレンス』を観る。予告では『クワイエット・プレイス』に被りすぎの設定が気になっていたのだけれど、本編もやっぱりよく似ているのである。そして、どこかジュブナイルの印象があるこちらの方が面白いような気もするのだから、やはりNetflixは侮れない。Netflixでは、同じく「してはいけない」系列の『バードボックス』と比べても、あまり難しいことをいわずにモンスターパニックに振っているところに好感がもてる。最後は『ハンガーゲーム』かと突っ込みたくなるような臆面のなさもいい。
シンドローム
今さら佐藤哲也の『シンドローム』を読んでいる。文庫落ちしてから購入という失態だけれど、してみるとAmazonのレコメンデーションも個人の嗜好を完全に捕捉できるわけではない証左であろう。『バーナード嬢曰く。』に取り上げられて、森見登美彦の解説付きでの文庫化の末という始末では、インターネットに最適化した結果、己のアンテナのつくりそのものに深刻な問題が生じていると認めざるを得ない。