コロナウイルス変異株の登場により、ワクチンによる集団免疫の獲得というこれまでの戦略は、感染力という観点でおよそ1.6倍困難になったということだと思うのだが、総理大臣はこれまでとやることが変わるわけではないというスタンスを示し、ハナからやる気がないことを隠さないという点で実に正直である。
オリンピックに無給の医師ボランティアを5,000人動員する必要があり、その点についての計画に変更なしとかいうニュースも流れてきて、これまたこのまま突き進むという話で、結局のところ現実に対応することなく破滅の淵に向かうこの国の宿痾は戦後が75年になろうと変わらない。
ハラリは人間とウイルスとの戦いは、情報伝達のスピードの圧倒的な違いによって最後は人間が勝つと断じていたけれど、情報にもとづいて適切な対応を取ることができない場合のシナリオを考慮していなかったようである。