東京の感染確認は55人。3月末の水準にあってこれから感染の再拡大に向かうと見ることもできるし、往時の検査が不十分で実は当時も実態を捉えることができていなかったとすれば、現在はそれなりの検査が行われているという前提で「まだまだ」という態度をとることもできる。いずれにしても、この数字は速やかに三桁となるだろう。
この時ばかりは仕事が早いとみえるのだけれど、政府の専門家会議は出過ぎたことをしたとの自己批判とともに解体され、位置づけも「分科会」となって科学の言葉は更に後景化する見通し。自治体も参加するなどと言っているのだけれど、利害関係者を増やし無責任状態を作り出して諮問機関をいいように利用するのは官僚の腹黒い知恵であり、目論見通り、専門家の意見は数多の文脈に埋もれることになるに違いない。
この再編成を専門家会議の人間自身がサポートしている以上、そもそも政治的な専門家が幅を効かせている問題があって、その景色は王朝末期の文化の荒廃を見るようだ。