『ながたんと青と』を読む。KISS連載中のコミックで、昭和20年代、占領統治の終わろうとしている京都で、戦争で夫を亡くした料理人が実家の料亭が援助を受けている大阪の有力者の三男と結婚し、傾きかけたこの料亭を立て直そうと奮闘する。ながたんという京言葉が菜切り包丁であるというのを初めて知ったのだけれど、菜刀からきているといえば、なるほど京言葉なのである。
第一印象最悪の年の差夫婦というロマンチックコメディの王道を踏みつつ、戦後に舞台をとって設定の不自然を感じさせず、今にもNHKの連続ドラマになりそうな類型でもありながら、いろいろと良い塩梅に整っていて面白い。
どこかで全7巻という文字をみたと思ったのだけれど、夜も深まってから読み始め、最後まで見届けようと読み続け、完結していないことを発見して驚愕する。既刊が7巻という意のよくあるミスコミュニケーションで、話はまだまだ続いているみたい。磯谷友紀というひとのマンガを初めて読んだけれど、目下の連載が三つもあるようなので感心している。