この日、大陸側から九州に接近し温帯低気圧に変わると見られていた台風14号が、週末にかけて台風のまま西日本に上陸するという予想が伝えられる。もともと降雨量の増加が心配されていたけれど、想像以上に発達した台風のパワーが減衰想定を上回って列島を横切ることになるので連休に向けて警戒が必要なのは当然として目下、『おかえりモネ』でも列島への台風接近が語られていたところなので既視感が強い。まして、NHKのニュースは朝岡覚と同じく「リードタイム」をうまく活用したいと呼びかけるので、これは意図的に寄せていると思う。
優れた脚本家は連ドラで現実を呼び寄せることがあって、野木亜紀子ではたびたび経験したものだけれど、安達奈緒子もまた同じ引きの強さを持っているに違いないのである。現実を象るのは物語であるからには。少し前、同じドラマのなかで降雨による土砂災害が扱われていたけれど、当地ではあまり時を置かず、避難指示のサイレンが鳴り響いていたのである。