ホムンクルス

『ホムンクルス』を観る。原作の漫画は未読。未読なので、ちょっと夢野久作のような話なのかと思っていたら、だいぶ違う。あまり細かいことを気にせずに雰囲気を楽しむべきものとは思いながら、始めと終わりの世界観が変わってしまったような居心地の悪さがあって、これは脚本の問題なのだろうかと思ってみたり。

大阪では非常事態宣言にあたってUSJに無観客で興行しろという行政からの要請があったそうだけれど、飲食店には酒の提供をやめるように言い、つまり「自主的な」休業に追い込んで休業補償を回避しようという遣り口で、徹頭徹尾、市民に関心なく、癒着と中抜きの構造にしか金を落とさない愚劣な政治の姿を見る。そうした酷薄な傾向は何も維新に限ったことではなく、同時多発で補償を後景化しようという流れだからこのシナリオを書いている人間が中央にいる。そ奴は新自由主義の思想をもって財政緊縮論を唱えているに違いない。