この1-3月のドラマはいまいち惹かれるものがなく、上白石萌音は結構、好きだけれど、『プラダを着た悪魔』と『彼女はキレイだった』と『ロマンスは別冊付録』を足して五で割った感じの『オー!マイ・ボス!恋は別冊で』は初回の中盤で挫折し、『ウチの娘は、彼氏が出来ない!!』は劇中の登場人物が観客に語りかけてくる、いわゆる「第4の壁」を超えるメタ技法が馴染んでいるように思えなくて、第1話だけでもういいかなと思っていたのである。
そんななか、そもそも生田斗真が今期のドラマをやっているとは知らなかったのだけれど、TVerで『書けないツ!? ~脚本家 吉丸圭佑の筋書きのない生活~』を観て、今クールはこれを最後まで追いかけようと決意したところである。面白い。『俺の話は長い』もよかったけれど、主演の生田斗真が相変わらず最高なのは当然として、そのよさを引き出すシナリオもキャラクターの配置もキャスティングも絶妙で、浜野謙太と「ダルいAP」長井短が好きすぎる。小説家香坂りり子の本棚に『三分の一、黒い』があるのは愛嬌として、全体に美術が優秀なのも好感度が高い。