『閃光のハサウェイ』を観る。かつて読んだ小説が四半世紀という時間を経て、これほどに完成度の高いアニメーションになろうとは。精密だがぐりぐりと動く画面に、固有の物事の位置関係とこの世界特有の重層的な意味合いをもつダイアログがたっぷりと詰まって、デジタルトランスフォーメーションを果たしたガンダムとしかいえない作品となっている。モビルスーツとしてのガンダムは減光された画面のなかの動きで、その全貌さえ判然としないにもかかわらず。劇場三部作になるという話だが、もちろん物語としてはシンプルな冒険譚に終わらないので身構える必要がある。