この日、東京の新規感染確認は1,304人。分科会の尾身会長は行動規制に頼る段階は過ぎ、PCR検査などの科学の力を利用すべきと述べたそうだが、今さら過ぎて正気を疑うレベルではないか。疫病との闘いで科学を基本におかず、PCR検査すら抑制してきたのは本邦だけで、その首魁の言なのだ。この転向ぶりからして、ここから先の状況は相当、悪くなることが見えているのではあるまいか。同じ分科会の見立てによれば、東京のデルタ株は全体の半分を占めるに至ったということだ。ほぼ全体が置き換わるまで、感染拡大は高いペースが続く。春の段階で予見し得た最悪のシナリオで、この国はオリンピックに突入することになる。