『海街チャチャチャ』の大団円一歩前、第15話を観る。物語上の衝撃点であった前回のラストから緩やかな浄化を重ね、土地にまつわる因縁まで解かれる展開なのだけれど、これまでのささやかな運命の輪は、より残酷な世界の円環のなかにあって奇跡のように温かな輝きを放っていたことが示されて、この世界の土台が明らかになる。
イジュンのエピソードがホン班長の性質に重ねて語られるように、物語構造の鮮やかな断面が示される仕掛けで、影を描くことで奥行きが引き立つシリーズ構成の妙は見事。キム=ソンホとシン=ミナの華やかな魅力はもちろん、小さな話を積み上げて緩急自在の構築をみせる脚本がこのドラマの面白さを作っていると思うのである。この流れで、宝くじ14億ウォンを当てたのは誰かという、今となってはちょっと浮いているコンジン第3の謎がどのように処理されるか楽しみにしている。