オールド

『オールド』を観る。M=ナイト・シャマラン監督が得意とする超常的な設定のスリラーで、例によって冒頭から、平凡な家族の様子にどこか不穏な影があって期待は高まる。観光に訪れたリゾートで人気のないビーチの時間を楽しもうとした人たちが異常な現象に見舞われる話なのだが、ホテルの送迎バスの運転手の役で監督自身が登場するところを含めて、いつも通りという雰囲気は悪くない。

とはいえ、結末のつけかたは意外に強引で嫌う向きも多いのではなかろうか。スクリーンテストの結果として取って付けたような勧善懲悪バージョンにラストが差し替えられたみたい感じなのである。異常な状況が明らかになっていくあたりの異様なテンションでのやりとりには十分なシャマラン風味があって楽しめたものの。画面のレイアウトや撮影も全体的に実験的で面白い。

特に驚くべきことでもないのだが、本作のトレーラーは結局のところネタをあらかた割っているもので、未見の向きはこれを観ずに鑑賞した方が絶対いい。