ダーウィンの鳥

『ルパン三世 PART6』の第10話『ダーウィンの鳥』を観る。これも押井守の脚本ということなので観ないわけにはいかない。ヘミングウェイに続いてダーウィンの話かよと思っていたのだけれど、衒学的なダイアログはいつも通り、どちらかといえば『天使のたまご』の解題のような話になっていて、オーソドックスな侵入もののエピソードとみせつつ、なるほど押井守なのである。それっぽい話なら満足という古参の旧弊がまず、これを肯定する。そして、今さら『ルパン三世』を観ている視聴者の層というのはどうなっているのだろうかということを再び考える。

この日、かねて予想されていた通り、アメリカ合衆国におけるCOVID-19感染確認が1日あたり100万人の大台を越える。このペースになると社会機能の維持という観点から隔離や回復の判定を緩めたいというインセンティブが強く働くことになる。年末にもCDCが隔離期間を10日から5日に短縮していたけれど、根拠となる知見はさしてないようだから、もはや追加接種だけを頼みとして強行突破の構え。ヨーロッパも概ねそんな感じで、本邦でも案の定、2類感染症の定めにある規制を棚上げしてあらかじめ自宅療養を選択肢に織り込もうとしているみたい。実質的に「コロナは風邪」の世界にシフトして行こうというのが2022年の景色ではあるけれど、それが何をもたらすのかは誰にもわかっていない。