『ミックステープ』を観る。西暦2000年前夜のワシントン州、両親の遺したミックステープに収録された曲を探すビバリーは、中古レコード屋の店主の助けを借りてブルーハーツの『リンダ リンダ』を聴く。日本語の歌詞の内容を知りたくて台湾出身の少女と知り合い、ミックステープの曲を追うことで自身の世界も広げていく。
死んだ両親のことを話そうとしない年若い祖母に実年齢でも50歳そこそこのジュリー=ボーウェン。主人公の少女たちがハイスクール前のドラマであれば、自分が歳をとったと感じざるを得ないが、青春ものとしては定石を上手く踏んだ佳作。ブルーハーツを使っているあたりは驚きがあって、実際、曲の使い方はうまい。そして中古レコード屋の店主を演じたニック=スーンは中堅の俳優らしいけれど、痩せたジャック=ブラックといった役回りでちょっといい。