『リトル・フォレスト 春夏秋冬』を観る。橋本愛の日本版の映画ではなく、キム=テリ主演の2018年の韓国映画。『二十五、二十一』も最終回を迎えるこの週末、キム=テリ成分を積極的に補っておこうという目論見だが、この”いち子”(役名はソン=ヘウォン)もなかなか魅力的な造形となっている。もちろん、出てくる料理も風俗も韓国のものにアレンジされているとして、この寒村での生活はどこか余裕があって、日本映画にはあったサバイバル一歩手間の切実さはやや希薄。やはりキム=テリのための作品であるには違いなく、しかしもちろんこれはこれでよいものである。
この日、北部でのロシアの退却につれ、占領下で行われた暴虐が明らかとなり伝えられる。ウクライナのみならず、チェチェンであれシリアであれ、なお支配にある町では現在進行形で起きている戦争犯罪の実相だが、またも事態を一歩進めるだろう重さがある。サハリンの権益を維持するというのが本邦の国益というのなら、その姿勢を許さない世界の流れも出てくるのではないか。