『地球外少年少女』を観る。商業用宇宙ステーションを舞台に、突発した異変とその状況からのサバイバルを描き、『逆襲のシャア』みたいな隕石落としの論理から、遂には量子論的とも超弦理論的ともみえる宇宙観にまで話は膨らんでいく。序盤、簡易宇宙服や布製の隔壁みたいな小道具が経済性を通してリアリティを補強するように作用しているあたりがことのほか好きである。
しばらく観ていると、どうやら特異点を超えたAIが引き起こしたカタストロフィを経た世界の話だということが明らかになっていくのだけれど、その語り口や人智を超えた知性にクジラのイメージが引用されるあたりは先行作品の存在を感じさせる近未来SFアニメの王道の印象でなかなか面白い。Netflixはシリーズ6話配信なのだけれどひと息に観てしまったのである。老人Zみたいな着ぐるみの主任が最高なのだけれど、出番が限定的なのが残念。