映像の世紀 バタフライエフェクト

『映像の世紀 バタフライエフェクト』を観る。100年前のスペイン風邪の流行とそれがもたらした歴史の流れを語り、COVID-19流行とmRNAワクチンの開発までを題材とした内容で、新しく得た知見はほぼなかったけれど、疫病の流行と人間の所業はやはり変わることなく、このたびのパンデミックが、やがて人間の手になるより大きな災禍をもたらしても不思議はないことを暗示していると見えなくもない。

そういえばウクライナでの侵略戦争ではCOVID-19の影響がほぼ語られないけれど、戦時下においてそうした情報が隠蔽されるところまで含めて、人間のやることは変わっていないのであろう。

ドイツへの巨額の賠償金に反対していたウィルソン大統領が、スペイン風邪に罹患したことで英仏の強硬姿勢に抗しきれず、その後のヒトラーの台頭につながったというシンプルな歴史観は、まぁ、どこまで定説といえるのか疑問は残る。