マクロンが最悪を予感したその日の深夜、欧州最大のザポリージャ原子力発電所で戦闘が起き、火災が発生したことが伝えられる。原子力発電所は間違いなく重要な施設である以上は兵力を割かなければいけないという意味で守勢にとっても厄介なはずである。しかし、誰も手が出せないという点で戦略的には中立のような気がしなくもない。とはいえ、現に火の手が上がったというニュースに資本市場は大きく値を下げて、世界の不安を代弁する。ロシア指導者の理性をもはや誰も信用していないようである。
片棒を担いでいるルカシェンコが、ウクライナ侵攻の作戦地図を前に演説をぶち、それを制止できずに立ち尽くす将軍の写真がミームになっていたけれど、このグロテスクな喜劇が引き起こしている地獄の沙汰は続く。