『鎌倉殿の13人』を引き続き観ている。新垣結衣演じる八重の出番は序盤だけかと勝手に思っていたのだけれど、北条時政の娘でない方の阿波局が八重であったという説をとった展開になっていて早くも北条泰時の誕生である。我ながら勘の悪いことだが、ガッキーは堂々の仕事ぶりでやはり素晴らしい。自分の中では何故か小栗旬が好感のもてる奴になっている。
そして物語は上総広常謀殺の段となり、このヤマ場は『真田丸』での室賀正武の殺害にも通じる後味の悪さで、その数段、上を行っている。善児がチラリと登場しただけで、目を覆いたくなるようなことになることを予感させる巧みさは、大河ドラマというフォーマットを知り尽くした脚本家の偉業といっていい。手習いのエピソードが、鎧から見つかった願文の話につながるとは。そして、これまで愉快な仲間たちという雰囲気で鎌倉殿を盛り上げてきた面々だけれど、歴史を紐解けば多くが非業に斃れることになるのである。