007 / ノー・タイム・トゥ・ダイ

『007 / ノー・タイム・トゥ・ダイ』を観る。エンドクレジットの終わりに「JAMES BOND WILL RETURN」とあるけれど、ダニエル=クレイグの出演はこれで最後。COVID-19の影響で何度となく公開が延期され、もちろん劇場にも足を運ぶことなく今日に至るという見送り方にはちょっと忸怩たるものはある。2006年の『カジノ・ロワイヤル』は『007』の新しいスタンダードを確立し、歴代ではダニエル=クレイグがいちばんのボンドということに異論のない立場としては。

本作の始まりは『スペクター』と地続きで、ひと騒動あってからの本編は5年後。ヒロインは前作に引き続きレア=セドゥということだけれど、キューバのパートに登場する現地諜報員を演じるアナ=デ・アルマスは噂通りのカッコよさでスピンオフがあってもいい。この立ち回りの華やかさこそ『007』であろう。