『さかなのこ』を観る。さかなクンの半生を題材にした沖田修一の監督・脚本作品。さかなクンをのんが演じて高い評価を得た映画だけれど、昭和の小学生がおそろしく緻密に描かれていて、この細部の稠密さにまずは感心する。その時代性は沖田監督にしか描けないのではないかと思ったものである。そしてもちろん、この役を宛て書きされたのんは素晴らしく、139分の長尺をぐいぐい牽引していく。能年玲奈とさかなクンという、かつて『あまちゃん』で共演した二人が、このような映画で再会しようとは。
柳楽優弥、夏帆、磯村勇斗、岡山天音という助演の分厚さにも目を見張る。ビーバップ的高校生活を描きたくなるのも納得の布陣で、このパートはやたらと面白い。