『インディ・ジョーンズと運命のダイヤル』を観る。冒頭、若き日のインディ・ジョーンズの登場は近年の画像AIを使ったディエイジング処理によるものだというけれど、オリジナルを加工しているだけあって不自然な感じは少なく、まず、テクノロジーの力に感嘆する。この第5作の聖杯となるのが、時を遡ることを可能にするアンティキティラ島の機械であるというのであれば、その象徴的な意味合いは一層、奥行きが増すというものではないか。
とはいえ、本編のハリソン=フォードは齢80ということだから、リタイアした大学教授という設定にさえ、少し無理がある感じだし、インディアナ=ジョーンズをここまで働かせなければならない事情もよくわからない。世代交代をイメージさせながら物語を駆動して、結局のところそのラストでは、ハリウッドとしかいいようのないドラマツルギーに収束させるのであればなおさらだ。どちらかといえば『007 ノータイムトゥダイ』のスタンスの方が好みである。