前夜

SVBを飲み込んだ波は、もともと健全性が疑われていたクレディ・スイスの経営を直撃して市場の動揺は続く。大き過ぎて潰せない類の存在ではあるものの、その巨大さ故に簡単に片付けることもまた、できないはずである。この状況がインフレと中央銀行との戦いに水を差すようなことがあれば、その影響はより深い傷を残すことにもなるだろう。

パンデミック、インフレ、金融引き締め、戦争、米中対立に加えて金融危機である。この10年はどうしたって暗い陰とともに語られると思うのだが、市井の生活というのは歴史的な波にも漂うようにして案外、普通に送られるものである。少なくとも今のところ。