『急に具合が悪くなる』を読み終える。2019年に亡くなった哲学者の宮野真生子と、人類学者の磯野真穂の往復書簡による共著。宮野さんの遺稿というべき内容を含んでいて、没後、あまり間をおかずに出版されたのだけれど、これまで読むことができていなかった。哲学者としてのこの人というより、2016年まで更新されていたブログの一読者としてのファンで、西陣での暮らしとそのライフスタイルに憧れたものである。
最近、ある記事で、病を得た人が闘病中に読んだ本のうち、もっとも影響を受けたとあって、そろそろ頃合いかと思った経緯がある。いくつもの重要な言葉がある。
この日、本邦の首相がウクライナを訪問する。電撃とも極秘とも冠されつつ、しかし移動手段や合間の映像が逐一中継される様子は来月の選挙を意識したパフォーマンスとしか見えないが、中国の主席がロシアを訪問しているタイミングにおそらくは図らずもぶつかってしまったことは、国際関係の図式として重大な意味を持っている。喜劇とみせつつ、実はのちの悲劇という歴史の一幕になりかねないが、当人には何の自覚もないであろう。