死刑にいたる病

『死刑にいたる病』を観る。死刑囚が数多の悪行のうち、自分に身の覚えのない事件の解明のために探偵を依頼するという話はいくつもあると思うけれど、阿部サダヲのレクター博士は説得力があって全体にキャスティングは悪くない感じ。折り返しで物語が転調した以降が面白いのだけれど、冒頭あたりの残虐な場面には、どうしてR15でなくPG12なのだろうかという気がしなくもない。法廷の場面に阿曽山大噴火がいる芸の細かさだが、ラスト20分に流れ込んでいく全体の作りはよく出来ている。しかしこの話、最近あった事件を思い起こさせるところがあって、ちょっと慄いている。