海からきたチフス

この日、畑正憲が亡くなったというニュースが流れる。北杜夫から入って、この人のエッセイも子供の頃に読んだけれど、何より記憶に残っているのは角川文庫にあったジュブナイルSFの『海からきたチフス』で、小学生の夏休みのひととき、あまりの面白さに衝撃を受けたものである。

生物に不可欠なアデノシン三リン酸、ATPというものを、この小説を通じて知った。そして思えば、いつまで経っても侵略ものが好きなのにも、この小説の影響があるような気がする。三つ子の魂百まで。