この前の日、ユダヤ教の安息日にガザ地区からイスラエルに向けて数千発のロケット団が発射され、武装兵による侵攻が開始される。これまでと大きく違うのは武装集団がフェンスを越えてイスラエルに侵入したことで、多くの民間人が死傷し、人質として連れ去られた者も多数にのぼる可能性がある。ネタニヤフは戦争状態を宣言して反攻を語る。
なぜ、このような事態が起きたのかについて、ニューヨークタイムズの記事はイスラエルのサウジアラビアの関係正常化の動きを背景としたイランによる妨害工作の可能性を示唆する。同時に、ウクライナが必要な軍事物資がイスラエルのニーズと重なるシナリオについて、支援継続に必要な予算措置が果たせないまま下院議長が解任された現状と合わせて語る。つまるところ、世界の不安定化が利得となるプレイヤーの存在は、力の均衡を崩す動きを今後も活発化させるに違いない。それが中東の出来事にとどまる可能性も、もちろんだいぶ小さいに違いない。