リチャード=セイラーの『行動経済学の逆襲』を読んでいる。ノーベル経済学賞を受賞した著者の本であれば、自身が一定の権威であるに違いないのだが、効率的市場仮説が広く前提として認められていた時代に遡って語られる年代記の印象があって、その主流派との論争の歴史は面白い。パラダイムのぶつかり合いといえば、その違いが際立っているだけあってわかりやすいのである。仮説とその名にもつ考え方を、不動の原理であるかのように考えてしまう人たちの主張そのものが、予想通りに不合理である人間の生態をよく示して面白い。
リチャード=セイラーの『行動経済学の逆襲』を読んでいる。ノーベル経済学賞を受賞した著者の本であれば、自身が一定の権威であるに違いないのだが、効率的市場仮説が広く前提として認められていた時代に遡って語られる年代記の印象があって、その主流派との論争の歴史は面白い。パラダイムのぶつかり合いといえば、その違いが際立っているだけあってわかりやすいのである。仮説とその名にもつ考え方を、不動の原理であるかのように考えてしまう人たちの主張そのものが、予想通りに不合理である人間の生態をよく示して面白い。