『超予測力』を読む。これもハヤカワのNFで、ちょっと煽りの入ったタイトルではあるけれど、問題を分解して手に負えない事柄は扱わず、実績の評価をしながら予測を行う科学的な手法の有効性と限界を説いた内容で全く常識的。その教義に至るまでの前振りが長くて、ちょっと笑ってしまう。読み物としての体裁をよく心得ているのである。それも含めて十分、面白いし、この不確かな世界を生きていくのに、科学の方法のなんと心強いことか。
この日、官房長官は記者会見で新型コロナウイルスの感染拡大に先手で対応すると述べたという。これほどの厚顔であれば、国土が焦土と化してなお、大勝利を宣言することさえするだろうが、収奪的な政府が試みているのは国民から言葉を奪い、無力感を植え付けることなのである。