今や皆が見て見ぬふりを決め込んだ例の疫病だが、このところ知り合いや知り合いの知り合い、何なら家の周辺でも感染が確認されていて、こうなってくると当たり前だけれど、別になくなったわけではないということがよくわかる。このうちの10%には後遺症が残り、何割かでは寛解まで長い時間がかかり、これを直接の原因か、あるいは遠因として亡くなる人も続くとなれば、それらの影響は軽く見ることはできないであろう。長期的には、その影響は人類の遺伝子にさえ組み込まれて共生することになるとしてもだ。何しろケインズが言うように、長期的には我々はみんな死んでいる。