鈍器

今週は週の半分ぐらいが出張で、東京を行ったり来たりという感じなのだけれど、コロナ第9波は収束することなくひょっとしたらこのまま冬まで行くのではないかという時間帯にあって人々の行動変容はほぼ観測されない。ちょっとした社会実験の様相を呈している。この状況を何らかの観測手段で捉えることが出来ていたら、たとえばそれが下水モニタリングのような手法でも役に立ったはずだが、何もかも見て見ぬふりで本当に何もしないという本邦にあっては、この機会さえ仮説検証の用にはならないのである。

この日、Amazonからかねて予約の『鵼の碑』が届くが、ちょうど出張に出るタイミングで普段であれば鞄にそれを押し込むところ、何しろ講談社ノベルス版であってもブロックのような形状なのでスペースがなく、泣く泣く諦める。新書の帯には例によって次回作の予告タイトルが掲載されていて、これには驚いたのだけれど、しかしまた17年後を刮目して待て、と言われても困る。