グレイテスト・ヒッツ

『グレイテスト・ヒッツ』を観る。事故で恋人を失い、思い出の曲を聴くと時間を遡行するようになった女性。それが本当に起きていることなのかという疑問を残しながらすすむ物語の語り口が絶妙で、このあたりは監督・脚本のネッド=ベンソンの仕事であるに違いない。時間の往還が、結局は人生の一回性を感じさせる構造そのものが名作『アバウト・タイム』を想起させ、こうしたテーマが好きなのだとあらためて認識した次第。これは傑作であろう。互いに喪失を抱えたルーシー=ボイントンとアジア系のジャスティン=H・ミンのロマンスもすごくいい。