演出

『虎に翼』での花岡の訃報の場面では、あまりに絵画的な画面構成と静止による冒険的な演出に震えたものだが、今クールのドラマでは『アンメット』もぞくぞくするような話の紡ぎ方をして、最新話ではクライマックスの突発性の健忘の場面で思わず声が出る。これらは単にそのシーンだけのものではなく、エピソードの蓄積と文脈のつながりの果てに出現したものであって、奇跡のようなものである。このようにクオリティの高いドラマを楽しみにすることができる幸福よ。