『虎に翼』第10週は最後の暗転はあったものの、民法改正の精神を宣言した上で、そこに残る家制度の残滓を告発する意図のある脚本で、相変わらず居住まいを正さずにはおられない志を感じる。いや、立派なものである。やはり優三は日本国憲法と同じ存在として描かれている。
そういえばちょっと前に新しい『プロジェクトX』の再放送を観たのだけれど、財政破綻の淵にあった隠岐、海士町の町役場が打ち出した起死回生の一手が職員の賃金カットで、これを美談風に仕立てた地獄のような演出だったので、やはりフィクションの方が数段、上を行くと思ったものである。