前田裕二『メモの魔力』という本があって、一定数存在するプロダクティビティマニアへの訴求そのものが目立つので以前から存在を認知しつつ、であるがゆえに敬して遠ざけているようなところがあったのだけれど、冒頭近くをパラパラと読むと、記憶のためのメモと、キャプチャーから分析、仮説化、検証といった科学的な検証サイクルのイメージに近いメモを峻別して、どちらかというと後者を推している印象でなるほどと思う。科学の方法が強力なのは実証済みの事実であり、これが習慣的に可能ならそれなりに有用であるには違いないのである。
ところで、もう何年もブログを運用していて、ときどき過去の記事を振り返ることがあるのだけれど、記述した当時の記憶どころか、書かれた内容も全く覚えてないということが結構あって、この年になると記憶のためのメモもかなり有用なのだが、そもそもメモの内容を理解できないことが問題であって、我々は観測不可能な領域が光速を超えて広がる世界に棲んでいる。やれやれ。