メタモルフォーゼの縁側

『メタモルフォーゼの縁側』を観る。ウェブコミックを原作とした2022年の映画。岡田惠和が脚本を書いている。劇中に、出てくる人がみんな優しい、みんな頑張ったという作品評のセリフがあるのだけれど、基本的にはそんな感じの物語。ボーイズラブ漫画をきっかけに75歳と17歳が友だちになって、季節が一巡するという優しい世界のお話なのである。

宮本信子が『マルサの女』に出演していたのは1987年のことだから、もちろんこうした役回りにも違和感はないのだけれど、宮本信子と芦田愛菜は実年齢に近いところで演じていて、その芦田愛菜がやっぱりいい。『さようならマエストロ』を観始めてからこっち、芦田愛菜のファンである。全力疾走のシーンがいくつかあるのだけれど案外、小柄のその姿が凛々しい。エンディングロールの二人によるカバー曲『これさえあれば』も悪くない。