終末のフール

Netflixの『終末のフール』を最後まで観る。もとより、避けられない破局をどのように迎えるかという原作なので明るくなりようもないのだけれど、韓国を舞台に翻案したこの作品は児童虐待やあらゆる種類の詐取、搾取が重要なプロットポイントとなっている。韓国の社会的な関心に寄せて編まれたストーリーで、キリスト教の存在感の大きさもそれゆえのものであるには違いない。悪くはないのだが、伊坂幸太郎っぽさは最小限という気がしなくもない。

トゥルー・ディテクティブ ナイト・カントリー

『トゥルー・ディテクティブ ナイト・カントリー』を観る。HBOの『トゥルー・ディテクヒブ』の新シリーズで、ジョディ=フォスターがアラスカの僻地エリスの警察署長という役回りで、極地の研究所で8人の研究員が失踪し、雪中で発見されるという特異な事件を捜査する。このシリーズに通底するシリアスな雰囲気を継承して、やや超常的な要素も見え隠れする。極夜の物語でもあって、雰囲気は全体的に暗いのだけれど、もちろん映像の質は高く、見応えがある。全6話。

この日、円は一時160円を越えて下落する。ゴールデンウィークで市場が薄いときの話とはいえ、少し前は145円あたりが防衛線であると言われていたことを考えれば、円の暴落が見出しとなってもおかしくない。NHKでは下落以上に「値上がり」を拾うキャプションがつけられていて、こんな時でも上意をわきまえてしまう体質を露呈しているけれど、本邦のリスクは今や値下がり方向に大きく広がっている。

おいハンサム!!2

『おいハンサム!!2』を観る。きれいに収まったシーズン1の続きがあるとは考えていなかっただけに、このシーズン2は楽しみにしていたのだけれど、もちろん、期待通りの面白さにすっかり満足している。すべてのキャラクターがこの世界に貢献していて楽しい。

この日、衆議院の補欠選挙は実施された三つの選挙区で、いずれも自民党が敗れる。立憲民主党が勝ったとも言えようが、それが実態となるにはまだ、幾つもの山を越えなければならない。

シティハンター

Netflixで実写版の『シティハンター』を観る。実を言って『シティハンター』のことはあまり知らないのだけれど、このビジュアルイメージが原作に思い切り寄せているのはよくわかる。鈴木亮平の顔面イメージは冴羽獠であるはずはないと思うのだけれど、全体として冴羽獠のイメージであるのには感心する。森田望智がまた。ストーリーが『シティハンター』でしかあり得ない以上は、この戦略は正しい。エキストラにコスプレイヤーだのYouTuberが動員されていて、パブリシティーもよく考えられている。

原価管理

かなり久しぶり、飲み放題付きの飲み会で松本。いわゆるコロナぶり。その飲み放題は何もかもが驚くほど薄くて、これがインフレ下の商売の実際だと思えばしみじみする。いろいろ大変なのであろうな。

Netflixで『終末のフール』の配信が始まる。シーズンで12話の構成で、そこそこ見応えがありそうだけれど、折よく連休が続くので、ゴールデンウィークはこれを堪能することになるだろう。終末ものが好物である。もちろん、本邦の伊坂幸太郎の作品を原作に敷いてはいるけれど、韓国ドラマなりの殺伐とした感じもあっていい感じ。

白亜紀往事

劉慈欣の『白亜紀往事』を読む。例によって著者の社会的なシステムへの強い関心が窺える中編で、白亜紀に生まれた恐竜帝国と蟻帝国の共生と相剋というヘンな話。クセが強いが、たまにこういうのを読むと面白いのである。

最近、テキストの作成にはiA Writerを使っている。以前よりよくなくなっている気がするのだけど、実際にはほぼ変わっていないと思う。

155

この日、円は34年ぶりに155円に下落する。これが投機的な動きというような雰囲気ではないあたりに問題がありそうで、日本円は金利正常化の方向に向かう帰結として、その価値と信認を失いつつあるのではなかろうか。これまでも多くの通貨が継続的な減価のプロセスを経験してきたけれど、その渦中にあっては多くの人が、かえって事態の理由には思い至らないものなのではないかという気がする。それは口に出すのも憚られる、不都合な真実であるがゆえ。