シグナル

『シグナル』を観る。同名の作品は結構、たくさんあるけれど、これは2014年のアメリカ映画。感じのいいロードムービーから、急に『ブレアウィッチ・プロジェクト』みたいな話になるのかと思ったら、立派にB級っぽい閉鎖空間ものに変わっていくのでびっくりする。そして話はそれだけにとどまらず、悪夢的な展開からSFっぽい結末に向かっていくのだけれど、100分足らずの尺での、この振れ幅には感心するほかない。なんだこれ。

ローレンス=フィッシュバーンが出演しているのだけれど、どちらかといえばオリヴィア=クックのデビュー作品というのが特筆すべき点になるのではなかろうか。冒頭20分の旅のシーンは情緒があるうえ、複雑な事情を垣間見せる感じに上手く構成されており、かなりいい感じの導入となっているのである。それが全体としては、何を目指し、どうしてこうなってしまったのかがよくわからない。メタ的な見方としては、そのこと自体が狙いということになるのだろうけれど、だからといって面白いかは、また別の話である。