街の上で

『アンメット』による杉咲花の評価急上昇と同時に、若葉竜也熱の到来というのがあって、なんとなく『街の上で』を観る。今さらながら、なぜ「街の上」なのかといえば「舞台の上」をそこに現出せしめようという意図なのだということに、姪に恋をした警察官のくだりで思い至る。この警官のセリフはほぼ同じ内容が劇中に2度あるのだけれど、それを受け取るものの文脈によって反応が全く異なるというのは、つまり舞台の上で繰り返し演じられる演劇と観客の関係を示しているのであろう。前回、この映画を観たときに、そう読み取ったのかは忘れてしまったけれど。

GoogleのAdvancedプログラムに2ヶ月のトライアルがあるというので、これに入ってGemini 1.5 Proを使ってみる。我々が検索を行うとき、カップラーメン1杯を作る電力が消費されるという話があったけれど、LLMというのはそれを大きく上回る浪費であるという気がしなくもない。

静かなるドン

Netflixで『静かなるドン』を観る。同名のコミックが原作であるということは知っているのだけれど、守備範囲からは大きく外れているので、こういう話だということも知らなかったのである。何しろ暴力団の名称が新鮮組だから、コメディではあるのだけれど、ヤクザ社会を題材にしているなりの古風な生臭さはあって、当世の組織暴力というのともちょっと違う昭和な感じ。60分の尺だけれど脚本のバランスはよく、伊藤健太郎も楽しそうに演じている。

もしトラ

この日、党大会前に早められたアメリカ大統領選の候補者による討論会は、山籠りしてこれに備えたというバイデンが全く精彩を欠いて自滅し、薄々皆がわかっていた通り、主に加齢がもたらしたさまざまな能力の低下を露呈して、不安だけを高めて終わる。本人ですら、かつてのようにディベートを行うことができなくなったと述べたそうである。おいおい。

もしかしたら、スケジュールの前倒しはこれあるを見越してであり、すぐさま民主党の修正能力の発現があると期待したいのだが、どうなのか。このままであれば、座してトランプ再選という、世界はその瀬戸際にある。マジですか。

ごきげんよう

『虎に翼』は再登場した梅子が家族の相剋の果て、家を出ることを宣言する回。演じる平岩紙の高らかな「ごきげんよう」は、これも朝ドラらしからぬ展開で痛快。前作『ブギウギ』の役柄で菊地凛子が出演したりして、いろいろ楽しい。

この日、翌日にかけて九州から四国あたりでは線状降水帯が発生する予報が出され、緊迫した雰囲気となる。最近では、もう何度目かの集中的な降水で、慣れが生む感覚からすると警戒心は下がる方向にあり、一方で実際の危険は累積雨量から高まるというのが防災の難しいところであるには違いない。ところで、古代地球においては2万年、雨が降り続けた時期があったそうである。

キャンペーン

どういうタイミングか知らないけれど、Kindleのキャンペーンが始まって、例によってハヤカワもお得な感じになっている本が多いので、ついぽちぽちとやって、読みたいと思っていた本を瞬く間に3冊ほど買い求める。ちょうどこの日、Steamでユーザーが「積みゲー」としてるゲームは3兆円分という記事を読んだのだが、もちろん積読はその上をいっているに違いないのである。

アンメット

もう終わっちゃうのかと思いつつ『アンメット』の第11話を観る。どうにもならん状況から、感極まる瞬間が幾つも描かれ、手持ちのカメラがその心のうちを映しとる。寄りめの画角がまた、いい感じの雰囲気を醸している。おなかがすいて、ご飯が食べたくなるというドラマは圧倒的に信頼できるという法則にまた、新たな傍証が加わった。何しろ劇中のセリフが、咀嚼とは幸せに向けた運動だというのである。

新型ウイルスによる隔離のエピソードはいささか唐突の感が拭えないけれど、保険証や器の色みたいなやりとりが話に厚みをつける。全ての登場人物に見せ場があるというバランスが大団円の印象を強く残す脚本の出来も見事というべきであろう。間違いなく今クールいちばんのドラマだったと思うのである。

孫家兄弟

『ブラザーズ・サン』を最後まで。気合の入った家族の物語であれば、結局はこの相剋に至る。そこは予想通りで、ややツイストの入ったラストも悪くなくキレイな結末だと思ったけれど、エンドクレジットの最後には続編を匂わせるカットがあって、いや、マジすかという感じ。何でも続ければいいというものではないと思うのである。しかし人気はあったようだから、頃合いでシーズン2が登場するのであろう。

この日は日中の気温が30度を超えて上昇する。