『マダム・ウェブ』を観る。MCUに関係しつつ、しかしこれはソニーズ・スパイダーマン・ユニバースと称するソニーのオリジナルユニバースの第一弾なのだそうである。確か封切りのときには興行の記録もパッとせず、批評家の評判も散々で、何より主演のダコダ=ジョンソンが制作そのものを批判した記事を読んでいたので、あらかじめ期待はしていなかったのだけれど、確かに感心するようなところはなくて、主人公が持つ直近の未来を予知する能力が、映像演出全体を混乱させているようなところがある。端的に言って、設定が演出家の力量を超えているのではなかろうか。加えてストーリー全体は不思議な平たさとご都合主義の合成とみえ、わかりやすさと難解さが同居している。どうしたらこんな雰囲気になるのだろうかと思ったのだけれど、脚本を生成AIでりライトしたと言われても驚かない。むしろ、本当にそうしたことをやっているのではないだろうかという気がしていて、だとすれば観客がそれを見抜いたという点で意味がある作品となっている。