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この日、円は34年ぶりに155円に下落する。これが投機的な動きというような雰囲気ではないあたりに問題がありそうで、日本円は金利正常化の方向に向かう帰結として、その価値と信認を失いつつあるのではなかろうか。これまでも多くの通貨が継続的な減価のプロセスを経験してきたけれど、その渦中にあっては多くの人が、かえって事態の理由には思い至らないものなのではないかという気がする。それは口に出すのも憚られる、不都合な真実であるがゆえ。