Netflixで『サイトレス』を観る。事件に遭って視力を失ったバイオリニストが知らぬ場所で回復期のケアを受けるうち自分の置かれた奇妙な状況に気づく。設定に工夫はあるとして、隣人系のサスペンスとしては想定をあまり出ない感じではあって全体としては微妙な感じ。盲目の主人公の心象が滲み出るシーンとか、少し面白いイメージもあるはある。
国会が始まり、まず現下の状況に対する気の利いた認識は聞けまいと思ってはいたものの、さすがに感染爆発に対する対応の遅れは全くないという首相の答弁には驚く。最高意思決定の段階において現実なるものはしばしば存在しない、戦争に負けているときは特にそうだという後藤隊長のセリフがそのままの世界が到来しようとは。そして、コロナに勝った証のオリンピックとかいう妄言が、負けを認めるわけにはいかないという因果の転倒によって、かえってオリンピックの強行につながる目すら出てきた。この者どもの不作為は故意によるものなのではないかという疑いさえ拭えないでいる。