というわけで『鵼の碑』を読み終える。17年ぶりの新刊だろうが、作中の時間では『姑獲鳥の夏』から2、3年というスパンでの話なので、むしろ実時間の経過が解せない。既にあった原稿が単に出版されていなかっただけではないかというくらいに地続きの印象で、文体にも揺らぎというものがない。予告の次回作がいつの刊行になるのかに関心は移っている。
ガザの人道回廊の設置にイスラエルが合意したという話が報じられる。境界付近には地上戦の開始を待つ部隊が集結しつつあるというとこだが、それを待ち構える大部隊は存在しないのである。