このところ馬伯庸『両京十五日』を読んでいる。現在、第2巻の半ば、全体では75%の進捗といったところ。この中国産の小説は、明を舞台とした長大な冒険小説で何しろ滅法、面白いのでページを捲る手が止まらない。北京、南京を結ぶ運河を舞台に、王朝転覆の企みを躱し、それぞれの思惑を抱える一行が皇太子を助けながら時間制限のある決死行を展開する筋書きは、正しく明朝版の『深夜プラス1』といった感じ。因縁と呼ぶに相応しく入り組んだ設定が物語の奥行きを作り、定型と期待を外さない作法の良さもあって中華小説の完成度の高さに感心している。