スタンドアップ

『スタンドアップ』を観る。シャーリーズ=セロンが引きずる影のようなものがあって、それ故、抑圧された役回りに只ならぬ迫力があるとはいえ、実に程度の低いハラスメントを素材にしているので状況やら動機やらを掘り下げてもどうにもならない。補完的に導入された父と娘の確執やら母と息子の葛藤も通り一遍で予定的に調和している。原題のNorth Countryの語感どおり、全体に寂寥として抑揚に乏しく見どころというものがないのである。