双頭の鷲

番となっていたカブト虫のメスが逝く。配偶者は実にかいがいしく面倒を見ていたのだが、そういえば秋である。僕はといえば、いや、だから虫はあかんて虫は。
『人形式モナリザ』を購入。既に着手していた『双頭の鷲』と、どちらを優先するか難しいところ。何しろ佐藤賢一のこの長篇は『傭兵ピエール』の背景と同期して、劣らず面白い。長くて、文体があって、極上の物語というのは滅多にないものだから、読んでしまうのが惜しくもある。