It‘s ok, not ok.

A24の映画で『We live in time』というのがあって、そのトレーラーをたまたまみたのだけれど150秒に物語のたぶんほとんど全てが詰め込まれていて、なおこれを観てみたいと思わせる力がある。なかなかのものである。ヒロインを演じているのがフローレンス=ピューなのだけれど、この人の佇まいは最近、日本のドラマでバイプレイヤーとして存在感を増している野呂佳代に似ている気がしてならない。

このところ地球科学の本をよく読んでいるのだけれど、このスケールになると現在論じられているレベルの気候変動は起こるべくして起こる事象であり、氷河期よりマシとさえ考えられいてるみたい。いわゆる温暖化は人類が農耕を開始した8000年前からみられる傾向だというからスケールが大きい。寒冷化と違って温暖化は植物の育成と二酸化炭素の吸収という負のフィードバックループを内蔵しており、際限なく高温化がすすむことはないというのだが、だからといって石油文明が持続可能ということにはならないと思うのである。

対話

時間をとって人と話すことの効用を何となく実感した週末。組織にかかわるモヤモヤというのは、結局のところ、このように解消していくほかないのであろう。今さらながら。

定型

なんとなく、という感じで『損するのは嫌だから』を最終の12話まで観る。まず、なんとなくという感じなのである。プロダクトプレイスメントに始まる韓流ドラマの定型は、すでにそれ自体がさまざまな類型の組み合わせであるというくらいに完成されたものではあるのだけれど、結末自体がグダグダになるというところまで含めての定型であって、本作もその例外ではない。キム=ヨンデが海外に旅立ち、半年後に国内で目撃されてやがて再会するというこの終盤こそ、ただ定型に寄せるためだけの展開でコピペか何かで作られた疑いがある。

水蒸気

この日、台風18号は935hpa程度の非常に強い勢力で台湾を縦断するルートに乗る。台湾付近に長時間停滞するのは気圧配置の関係によるものだが、風と雨が大きな被害をもたらすことが心配されている。

先週、米国の南東部に上陸したハリケーン ヘレンは、先行する時間帯に膨大な雨をもたらしたというニュースをみる。雨量は150兆リットルを超え、周囲100キロ以上あるタホ湖一杯分に匹敵するというのだから、大きな水害をもたらしたのも無理はないのである。気温の上昇により大気中の水蒸気は増加しており、同様の事態は地球のどこにでも起きる可能性がある。

未知

この日、イスラエル軍は南レバノンへの侵攻を開始する。現在の政治は2006年当時よりも強硬な右派ポピュリズムが支配して久しく、何ら制約を感じていない様子で、どこで引き返すつもりなのか全く見通せない状況にある。

アフガニスタン東部で感染性の未知の病が広がっているという短信を見かける。過去4日間で500人が罹患し、下痢や発熱などの症状が見られこれまでに2人が亡くなったということだが、現地の保健当局者が未知の病気だと述べたというフレーズには、パンデミック小説のイントロのような風情がある。50人が重体ともあって、その病原性は非常に高いとみるべきだろう。

調整

この日、東京市場は大きく調整して1,900円を超える下落。新たな内閣では、これまで日銀の独立性を牽制してきた政治の重しが除かれるという思惑が金利の上昇を織り込んできたという説明だが、正常化に向けて不可避な調整であればどこで起きても不思議はないものには違いない。経済に対する政治の役割は、もともと金融政策以外の場所で発揮されるべきだろうし、中央銀行の独立性というフィクションを守ることさえできない政体が、民主主義の擁護などできるはずもないのである。

この日から朝ドラでは『虎に翼』に代わり『おむすび』が始まっているのだけれど、観るかどうかはまだ決めかねている。これまでの予告を見る限り、興味を惹かれる要素がないので。

多様性

この週末で石破新内閣の顔ぶれがだいたい決まったようだけれど、反主流派のイメージがある当人だとして権力基盤の確立のためには主流各派に満遍なく目配りせざるを得ないという雰囲気で、結局のところこれまで見てきたような、政治的功績もわからぬ年寄りの男性ばかりが名を連ねる。これに世襲が加わって、日本の政治体制の絶望を凝縮したような塩梅になっているので、やはり政権交代と制度の刷新に何年か取り組まないことには話にならないということであろう。ひどいものである。