街の上で

『アンメット』による杉咲花の評価急上昇と同時に、若葉竜也熱の到来というのがあって、なんとなく『街の上で』を観る。今さらながら、なぜ「街の上」なのかといえば「舞台の上」をそこに現出せしめようという意図なのだということに、姪に恋をした警察官のくだりで思い至る。この警官のセリフはほぼ同じ内容が劇中に2度あるのだけれど、それを受け取るものの文脈によって反応が全く異なるというのは、つまり舞台の上で繰り返し演じられる演劇と観客の関係を示しているのであろう。前回、この映画を観たときに、そう読み取ったのかは忘れてしまったけれど。

GoogleのAdvancedプログラムに2ヶ月のトライアルがあるというので、これに入ってGemini 1.5 Proを使ってみる。我々が検索を行うとき、カップラーメン1杯を作る電力が消費されるという話があったけれど、LLMというのはそれを大きく上回る浪費であるという気がしなくもない。

静かなるドン

Netflixで『静かなるドン』を観る。同名のコミックが原作であるということは知っているのだけれど、守備範囲からは大きく外れているので、こういう話だということも知らなかったのである。何しろ暴力団の名称が新鮮組だから、コメディではあるのだけれど、ヤクザ社会を題材にしているなりの古風な生臭さはあって、当世の組織暴力というのともちょっと違う昭和な感じ。60分の尺だけれど脚本のバランスはよく、伊藤健太郎も楽しそうに演じている。

アンメット

もう終わっちゃうのかと思いつつ『アンメット』の第11話を観る。どうにもならん状況から、感極まる瞬間が幾つも描かれ、手持ちのカメラがその心のうちを映しとる。寄りめの画角がまた、いい感じの雰囲気を醸している。おなかがすいて、ご飯が食べたくなるというドラマは圧倒的に信頼できるという法則にまた、新たな傍証が加わった。何しろ劇中のセリフが、咀嚼とは幸せに向けた運動だというのである。

新型ウイルスによる隔離のエピソードはいささか唐突の感が拭えないけれど、保険証や器の色みたいなやりとりが話に厚みをつける。全ての登場人物に見せ場があるというバランスが大団円の印象を強く残す脚本の出来も見事というべきであろう。間違いなく今クールいちばんのドラマだったと思うのである。

THE FIRST SLAM DUNK

『THE FIRST SLAM DUNK』を観る。世代的にはちょうど頃合いだったはずだけれど、ほとんど履修しないまま、ミーム化したセリフには聞き覚えがあるというくらい。井上雄彦が監督・脚本という本格的な映画化は聞いていた通り、アニメーションとしての品質が高く、通常の試合時間を大きく上回る124分という尺も長くない。

『おいハンサム!!2』の配信は今週が最終回。例によってさまざまな教訓を残して物語はいったんの区切りとなったとはいえ、生活は続く。いや、劇場版に続く。楽しみ。

リンカーン弁護士

Netflixオリジナルの『リンカーン弁護士』を観る。かつてのマシュー=マコノヒーの映画みたいな華はないのだけれど悪くない。すでにシーズン2まであって、シーズン3も制作が決まっているみたい。とりあえず3話まで。長い。

外付けのキーボードはNuphyのAir75を使っていて、それなりにしっかりしたつくりなので特に不満もなかったのだけれど、内蔵バッテリーが膨らんで底面に歪みが生じていることに気がつく。こういう壊れ方をするのは想定外。ホームページを覗いてみたけれど、商品としては世代交代がすすみ、同時に円安も反映して、かつてのお手頃な中華キーボードといった位置付けからはだいぶプロファイルが変わっているみたい。何しろ販売はNuphy Japanになっているのだけれど、かつては香港経由で深圳から買い付けるという趣だったのである。

劇場版ラジエーションハウス

『劇場版ラジエーションハウス』を観る。実はこのドラマシリーズの方は観ていないので特に思い入れもないのだけれど、『アンメット』が引き続きよいので医療系のドラマならみて観ようという気になったのである。漫画原作を持つというところは同じだとして、その方向性はだいぶ異なって、このあたりの期待はほとんど満たされることはなかったのだけれど、まぁ、そういうものであろう。ツッコミどころの多い脚本は、いかにもフジテレビ系列という感じ。設定は面白いのだけれど、大ぶりの話を作ろうとして、全体が崩れてしまっているようなところがある。

横浜の実家に戻る用事があって、この日は茅野へ移動。土曜日の移動で渋滞が心配だったけれど圏央道から中央道への接続で合流付近の混雑があったくらい。小仏トンネル通過時に、トンネル内で追突事故が起きたばかりの様子だったので、あの後はだいぶ混んだのではなかろうか。

怪物の木こり

『怪物の木こり』を観る。冒頭からサイコパスぶりを発揮する亀梨和也というのは、なかなか画になっていてまず、それだけでもみられる感じ。菜々緒のプロファイラーというのも典型的な雰囲気で、何もかもそれっぽいというのが特徴の映画であろう。そうはならんだろうという物語設定ではあるのだけれど、ジャンル映画としてはそれなりの出来。小説が原作らしいのだけれど、うまいこと劇画になっていると思うのである。

この日は深圳から香港に出国して午前中のJALで帰国。移動しかしていないのだけれど、今週の『虎に翼』を木曜日まで視聴して涙する。第1回の冒頭に繋がって、物語は新しい段階にすすむ。